木津川市のKさんは、ここに至るまで長い道のりでした。
ともかく、ようやく上棟です。

Kさんは土地に関する相続の手続きが必要で、
その際、成年後見人を立てなければなりませんでした。
不動産業者であれば、そのような事は度々あると思いますが、
建築を専門としている私には、初めてケースでした。
別に私が何をしたという訳ではありませんが、
Kさんも後見人になる人も、細々とした書類を揃えて、
家庭裁判所にも行って‥‥。
これが、なかなかうまく進まなくて、
本来なら今年の2月には着工しているはずだったのですが、
結局、8ヶ月遅れてしまいました。
実は私もプライベートで、ややこしい相続の手続きを済ませました。
私の自宅ですが、建物は私の名義ですが、
土地は5年前に亡くなった義父の名義になっていました。
義父が亡くなった時、すぐに妻の名義に移せれば良かったのですが、
なかなか、そうはいかない訳がありました。
義父の相続人は妻と義妹の2人。
その2人で遺産分割協議をして、法務局で手続きをするのですが、
義妹はカナダ人と結婚し、カナダ在住だったので、
カナダ人と結婚したという戸籍上の手続きをして、
実印を作って、印鑑登録するところから始めなければなりませんでした。
義妹はキャビンアテンダントをしていて、
短期間、日本に来ることが度々あったので、
少しずつ、手続きを進めていたのですが、
ところが、義妹に癌が発覚し、入院。
結局、昨年末に亡くなってしまったのです。
そうなると、厄介な事に‥‥。
相続人は義妹からカナダ人のご主人に移ってしまったのです。
法務局へ相談に行くと、
「実印と印鑑証明が必要です‥‥」
カナダ人に実印と印鑑証明?
これはもう私の手には負えないので、司法書士さんにお願いしました。
司法書士さんの指示通りに書類を集めたのですが、
義妹のご主人は全く日本語が話せないだけではなく、
パソコンも使えないのです。
コミュニケーションの手段は手紙だけ‥‥。
「公証人役場に行って、宣誓供述書のサイン証明をもらってほしい‥‥」
これを英文にするにはどうしたら良いんでしょうね?
とにもかくにも、なんとか6ヶ月かかって書類を揃え、
妻の名義でなんとか登記することができたのでした。