先日、当社へご相談に来られた方から、
住宅の買い時についての話題が上がりました。
今、住宅を取得すると
・住宅ローンの超低金利
・最大500万円の住宅ローン減税
・上限50万円の現金給付
といった追い風が吹いています。
やはり、今が買い時なのでしょうか?
その辺りについて、ちょっと考えてみましょう。
【住宅ローンの超低金利】
昨年は日銀のマイナス金利政策の導入もあり
住宅ローンの金利は1%を切るのは当たり前の超低金利です。
思い返してみると、今から20年ほど前、
住宅金融公庫の金利が3%ほどになり、
その時もかつてない低金利と言われていました。
その当時の住宅営業マンは
「こんな低金利が長く続くことはあり得ない」
と言って、今が買い時だと促していました。
ところがそれ以降も
住宅ローンの金利は低空飛行を続け、現在に至っています。
もしかしたら今でも住宅会社では
同じような営業トークを使っているのかも知れませんが
今後も景気回復の兆しは見えませんし、
金利が上がりそうな見込みはありません。
低金利だからと言って
今が住宅の買い時とは言えません。
【最大500万円の住宅ローン減税】
これは消費税引き上げによる消費の冷え込みを抑えるために
拡充された期間限定の制度です。
年末調整で、住宅ローンの残高の1%を10年間に渡って
所得税から控除して、税金が戻ってきます。
控除の上限は何と500万円。
(長期優良住宅、低炭素住宅の場合)
ただ、この制度の適用期間は2021年12月までなので
あと5年ほどありますから、急ぐ必要はありません。
【上限50万円の現金給付】
これも消費税引上げ後の対策としてできた制度です。
すまい給付金と言います。
収入が低い場合、
住宅ローン減税の恩恵が少なくなってしまうので、
上限を50万円として現金給付される制度です。
[消費税8%時]収入額の目安が510万円以下
[消費税10%時]収入額の目安が775万円以下
の人が対象になります。
この制度は住宅ローン減税と一緒に利用する事ができます。
ただ、すまい給付金も適用期間は2021年12月までなので
あと5年ほどありますから、急ぐ必要はありません。
結局、現時点で金利や減税等の支援政策を理由に
家の取得を急ぐ必要はないのです。
最近の事を振り返ってみても
消費税増税前には駆け込み需要で、住宅業界は大忙しでしたが、
それ以降、需要が冷え込んだままの状況が続いています。
しかし、よくよく考えてみると
消費税増税以降の「超低金利」「減税」「給付金」によって
増税の前と後で損得を比べると、ほとんど変わらないのではないでしょうか。
むしろ、急いで家を取得しようとすることにより、
増税前の方が失敗するリスクが高かったかも知れません。
家の買い時かどうかは
その人自身がそのタイミングにあるのかどうかが
最も重要なのではないでしょうか。